"...because I love it."
水彩 紙
Summer/1997
車椅子に乗るようになってもう10年以上になりましたが、
はじめて波に乗った時の感覚は、今も忘れられません。
水面をボードに立って走る、経験した事のない爽快感。
波のリズムに乗れた満足感。
自然を征服したかのような独りよがりの優越感。
なかなか上手くなれない焦燥感。
死ぬかもしれないと思ったあの恐怖感。
でかい波に乗れた時の大きな達成感。
へとへとになって、海からあがってくる時のなんとも心地のよい疲労感。
波が無くて何もする事が無い時の自己嫌悪感。
すべて海が経験させてくれました。
未だ夢の中ではアグレッシブにサーフィンをします。
波に乗った数十秒間はまさに「空」だったんだと思います。
そして、ただ波に乗るということを通していろんなものを学びました。
だれも教えてくれなかった大切なもの。
喜びや悲しみ、友情や別れ、愛と尊敬、自然の神秘と恐怖。
どんどんオレっていう存在は小さくなってゆきました。
でも同時に唯一のもので、内側には大きな宇宙が存在していることにも少しだけ気が付きました。
いつも海から上がる頃には、気持ちはすっかり浄化され、心のくもりも消えているようでした。
サーフィンはもうできませんが、どんなオレでも受け入れるしかないんだと思えるようになりました。
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